バイク・バイク用品関係

【インプレ】”Ninja H2″乗ったぞ!世界初の過給機搭載バイク!古今無双の爆トルク!

「Kawasaki H2」乗ってみた

ついに“Ninja H2”に乗ることができました。
レンタルバイクキズキ 徳山駅前店さんのご協力でお貸しいただきました。
このバイク、貸してはもらえるのですが
車両代、修理が高すぎて車両保険に加入することができません。
コカしたら全部、実費で支払うことになります。
悩んで悩んで出されたコーヒーを飲んで…
「レンタル!!」
店内で拍手が置きました。

近未来的なデザインからバイクメディア以外でも大きく取り上げられました。
川崎重工の技術の粋を集めて、バイクというプラットフォームに落とし込んだ
世界初のスーパーチャージャー(過給機)搭載※の市販車
「Ninja H2」どんなバイクなのでしょうか?

※正確な表現をすると
「単一のメーカーによってスーパーチャージャー搭載の公道バイクを製造」が世界初

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ファビュラスなスタイリング・デザイン

IMG_20170303_150402.jpg

CB1100を日本の風景のどこにでも馴染むバイクと表現しましたが…。
Ninja H2がこの時代の風景のどこにも馴染まず、圧倒的な個性が異様さを際だたせます。
一見、黒一色に見えるこのバイクですがラメが入っていて、宇宙を思いました。
きちんとしたライダーならばライダースジャケットを羽織らずにはいられないです。
ここまで主張するバイク。直感的に”ファビュラス”と感じます。

一人乗りのバイクなのでタンデムシート、タンデムステップは無し。
シートの造形もロボットアニメのコクピットの印象を受けました。
171cmの自分の足つきは片足はベタ付き
両足付くけど、足場が悪いとかかとが僅かに浮く
ちと不安かな?と言った感じです。
ポジションは”思ったほどは”キツくなかったです。
キツくはないけど楽でも無いというのが本音のところ。

フロントフォークトップキャップにはプリロードや減衰やらが調整できるようになっています。
また、注目すべきはインジケーターです。
小さな画面にスピード、ギアポジション、モードやトルコンの作動状況など情報が過剰に表示されています。

無題の図形描画 (1).jpg

タコメーターは1,2,3,4,とんで6です。その次は8,10,12…。

スーパーチャージャー

このバイクの最もの特徴、Ninja H2をNinja H2たらしめる部分
それはスーパーチャージャー(過給機)でしょう。
スーパーチャージャーってのは
「空気をいっぱいエンジン内に押し込めるようにしたら
同じ排気量でもパワー出せそうじゃね!?」

という発想で生まれたもんです。
車のオプションでよく見る”ターボ”は排気ガスを動力にして空気を押し込むものです。
”スーパーチャージャー”はエンジンの回転エネルギーなどを動力に空気を押し込んでいます。
Ninja H2はそのスーパーチャージャーを二輪車で初搭載したバイクになります。
(ターボ搭載バイクは1980年代に各社が発売しています。)

“H2R”と”H2″の違い

ss0064.JPG

公道仕様の”H2″ですが、サーキット専用仕様の”H2R”も存在します。
スペックを見る”H2″は最大200PSに対し、”H2R”は最大300PSを発生させます。
「100PSも差があんのかよ!」と思われるでしょうが
エンジンの設計に大差は無く、ただ単にリミッターで制御されているだけのようです。
H2はあくまで公道仕様として作られているので
エンジンやスーパーチャージャー、マフラーが公道走行可能で楽しめるセッティングになっているようです。

1000ccという排気量は隼やZX-14のようなメガツーリングバイクではなく
H2Rはレーサーバイクとしての動体性能を求めるため
あくまで1000ccとバイク屋さんは推測されました。

地獄の走行インプレ

まず乗ろうとエンジン始動。
アイドリングからけっこううるさいです。
下道を走行し、高速道路に向かいます。
乗ってみるとたしかにビッグバイクらしいパワーはありますが、至って普通…。
しかし、4000回転まで回すと
突然、ケロケロケロ…とカエルや爬虫類を思わすメカノイズ
胸騒ぎのような細かな振動。
そして、シートが体感できるほど熱くなっていきます。
「これが!!!スーパーチャージャーか!!!俺はスーパーチャージャーを動作してないH2に乗っていたのか!」
でも、下道で4000回転以上出せません。(2速の3000回転くらいで70〜80km/hくらい出ます。)
ノットスーパーチャージャー状態で高速道路に入り、合流。
アクセルをドキドキしながら少しずつ開いていきます。

過給機の始動

4000回転でケロケロケロと鳴き、震え騒ぎ出すエンジン。
(温度的に)シート下が体感できるほどハッキリ熱くなりだすバイク。
悪魔の囁きのように思えてきます。
(動画30秒あたり参照)
タコメーターが6000回転を表すと、ドカンとトルクの波が体を襲います。
インジケーターに「TURBO」マークが表示されています。過給機が作動しだしたようです。
「うぐっ!!」声が出ちゃいました。(はぁと)
体が後ろに軽くのけぞり、急加速。
アクセル開度は一定のつもりなのですが、フロントフォークの路面追従の上下でわずかにアクセル開度が変わるのでしょう。
そのたびにトルクの波に襲われ、体が前後に揺れます。
2速の8000回転で110〜120km/h出てしまいます。
10000回転以上は手に負えない領域に突入しそうなのでチャレンジしませんでした。
過給機の作動レベルは3まで動作させました。
最大5、そこまでを扱う度胸は無いです…。
理論値では最高速度360km/hくらいでるそうです。

ちなみに…6速の3000回転
スーパーチャージャー非動作で走るととてもジェントリィで
ツアラーバイクを思わす安定感のある走りが可能です。
ジキルとハイド、二重人格のようなバイクです…。

燃費

燃費は下道走行、高速道路走行ごちゃ混ぜ、スーパーチャージャー多用で10km/Lとなりました。
自分の人生の中で一番燃費の悪いバイクです。w

まとめ

世界初のスーパーチャージャー搭載車両として注目されがちなH2。
4000回転以下は本当に穏やかなエンジンフィールでした。
ただし、6000回転あたりからスーパーチャージャーが動作し始めると、エンジンの様相が激変します。
自分では8000回転付近以上回せる気がしません。そのくらいドッカン、パワー来ます。
同年にHONDAはまんまmotoGPマシンの「RCV213S」を一般販売しました。
GPマシンは厳しいレギュレーションの中で最高のマシンを作り上げられるのに対して
Ninja H2(H2R)は今風に言うならば”最新のテクノロジーの結晶として最高に尖ったバイク作ってみた”的な気概を感じます。

率直な意見としてH2は怖い、忘れられないくらいに怖いバイクです。
スピードが怖いわけじゃありません。

むしろ、セッティングさえ決まれば抜群の安定感さえ感じられます。

回転数を上げるたびに、スーパーチャージャーのブーストインジケーターがひとつ増えるに
この上はどうなってしまうのだろう?
制御できない速度が生まれるのだろうか?
その速度さえH2はライダーの存在を許してくれるのだろうか?
バイクを試したい、バイクに試されたい。
そんな魔性を秘めています。
ただ、あのバイクを楽しめたら、もう他のバイクが楽しいと思えなくなる恐怖も感じました。

このバイクはとんでもなく恐ろしほどに公道で乗りにくいバイクです。
NC750LやCB750に乗って講習を受けて、大型二輪免許貰う。
それだけでバイクが合法的に乗れることが受け入られないほどでした。

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