暴走族のバイクはなぜ遅い?
バリバリバリゲリゲリゲリゲリべべベベ・・・


視線を集めるためにゆっくり走っているかもしれないけど…。
不良のバイクは総じて遅いよね。
なんでだろ、ちょっと聞いてみよっと。
バリバリバリゲリゲリゲリゲリべべベベべべべ
その理由はきっとマフラーのせい
バリバリバリゲリゲリゲリゲリべべベベべべべ





熟練ライダーほど”まずマフラーからは変えない”

結論として、熟練ライダーほど”まずマフラーからは変えない”んだ。


良いマフラーに交換しても、出力特性が変わる程度なんだ。
わかりやすく例えれば、失敗したら失明するけど、成功すれば近視が遠視になる手術みたいなもんだ。

補足
有名マフラーメーカーによって煮詰められたカスタムマフラーだと全体的な性能が上がります。
しかし、タイヤ、チェーン、サスペンションをグレードアップしたほうが性能の体感はしやすいです。
軽い金属を使ったマフラーはバネ下重量が減少するため、大幅な重量減が見込めますが、そんなこと言うならダイエットしましょう。
国内仕様に静音性だけが極めて高い駄マフラーを付けられた外車に本国仕様のカスタムマフラーつければ性能が大幅に上がる例もあります。
そもそもマフラーってなに?









要はマフラー無しは回転数が落ちているということだ。


そもそも、吸気と排気ってなにさ?


ものが爆発(燃える)するには酸素が必要なんだ。
つまり、酸素とプシュと霧状のガソリンをピストンに送り込むまでが吸気、ピストンで爆発させた後に発生する排気ガスを放出するのが排気だ。


じゃあ、バルブって何?

こいつがガソリンと酸素を吸う、排気ガスを吐くを自在にコントロールしている。
ベテラン交通誘導のおっちゃんだ。

参考動画が見れれば見てくれ。
1,吸気

ピストンが下がることで、シリンダー内の容積が増え、負圧が生まれるから吸うんだよ

2,圧縮



今回は説明しないけど。
3,燃焼

爆風がシリンダー内に充満して、圧力増大!今にも破裂寸前の風船のようだぜ!
4,排気

すると、排気ガスは一気にマフラーへ向かうぞ!
ちなみに、吸気バルブもちょっと開けてやって、排気効率をあげているんだ。

マフラーを理解するにはピストンの仕組みを理解しないと行けない!?




これを脈動効果という


扇風機やサーキュレーターがあるなら、電源を入れて送風側でない方にティッシュをかざしてみよう。
吸い込まれる力があることがわかるぞ。この原理だ。



自分がバルブさんのところに辿り着いた時に排ガスが居ないと、反射してマフラーに帰ってしまう。


60秒中に2000回転するから一回転は0.03秒。
排気のタイミングは2回転中の1/4とすると、排気のタイミングは0.015秒間しかない。
この0.015秒間のチャンスに排ガスを外に導こうとするエネルギーさんは飛び込んでくるんやで。


回転数が変われば排ガスの流速、圧力も変わる。
すると、生まれる排ガスを外に導こうとするエネルギーさんも変わる。
こんなシビアな条件で排ガスを外に導こうとするエネルギーさんが飛び出せる設計をしているのがパーツが…。





マフラーを変えると出力特性が変わる理由


マフラーを変えるということは排ガスを外に導こうとするエネルギーさんを変えてしまうんだ。
低速トルクがスカスカになったっていう例はきっと、抜けの良いマフラーをつけたせいじゃないのかな?


背圧っていうのは、マフラーの管内にかかる圧力のことだよ。

マフラーの管内に圧力がかからないほうが良さそうな気がするんだけど…。

ゴムホースの先を指で潰してごらん。


じゃ、ゴムホースの先を指で潰しごらん。




じゃ、さらに蛇口を開けるね。

指の力ももっと必要になったよ!


グッ

バァン!!

最悪破裂しちゃうね。過ぎたるは及ばざるが如しってことよ。


で、背圧が低速トルクにどう関係してくるの?

だけど、低回転時は排ガス量が少ないから排ガスを外に導こうとするエネルギーさんへの依存が大きいんだ。
純正のような抜けの悪いマフラーは
背圧がかかりやすい→排ガスの流速が速い→強力な排ガスを外に導こうとするエネルギーさんが生まれる→低速トルクが強くなる。
ということになる。




マフラー交換の効果とは?



マフラーを変えるな!というわけではなく、まず純正マフラーで乗り込んで自分はどうしたいのか?
低速トルクを増したいのか?高回転寄りにしたいのか?それをハッキリ決めてからでないとチグハグになってしまう。
マフラーを変えれば、吸気のセッティングも行わなければいけない。
ようやく、本題に戻るが不良や暴走族のバイクが遅い理由はマフラーが粗悪すぎて、低速トルクがなさすぎるせいだ。
200kgの鉄の塊である自分自身を押し出す力が発揮できないほどにね。
とかくにマフラーとはすっごいめんどくさいのだ。



バリバリバリゲリゲリゲリゲリべべベベべべべ

補足
結構長い記事を最後までお読みいただきありがとうございます。
マフラーを変えるということはエンジンの出口を変えるということになります。
つまりはエンジンの入り口も変える必要が出てきます。
昔はキャブレターという方法で、ガソリンのエンジン噴射量、つまりはエンジンの入り口を制御、調整できました。
しかし、現在のバイクのほとんどがFI(フューエルインジェクション)という電子制御でガソリンをエンジンに噴射しています。
FIは調整ができない*ので、デタラメなマフラーをつけてしまうとエンジンの環境がデタラメに変化してしまいます。
なので、キチンと保証されたマフラーをつけましょうということです。
*まったくできないわけではないですが…
初心者が「音をかっこ良くするためにマフラー変える!」と安直に変えようとしますが
もうちょっと慎重にすべきカスタムだと僕は思っています。