旅、人との出会い
旅というのは人との出会いです。
人との出会いの7割は散々な思い出。
2割は事務手続き。
そして残りの1割は良くも悪くも忘れがたい思い出。
そんなパンドラの箱に残ったようなエピソードをお話したいと思います。
運命の女(ガソリンスタンド店員5年目フィリピン50代女性)
先日、台湾をバイクツーリングしてきました。
台湾の首都である台北市から高速バスを利用して
台湾南部の街、台南市へ向かいました。
台湾では高速バスがとても盛んで
台北市から台南市の高速バスは30分置きくらいに発車しています。
ちょうど福岡から熊本くらいの距離感です。
中国語は読めなくもないのですが
車内アナウンスは何言ってるかわからないので
途中休憩でどのくらい停車するのかわからないはストレスでした。
なんやかんやで台南市についてゲストハウス「はむ家」さんに到着。
翌朝、紹介された機車出租(レンタルバイク)店でバイクを借りました。
レンタルバイクは日本ではマイナーであり、レジャー的な要素が強いですが
台湾ではポピュラーなサービスで、日本で言うところのレンタカーサービスに近いのです。
まぁ、なんやかんやお店の方と片言の英語でレンタルしました。
100ccか125ccか、新しいバイクか古いバイク聞かれました。
車種は選ぶことはできませんでした。
排気量は125cc、バイクは盗まれたり狙われても困るので古いバイクを選択すると
2014年製のSYMという台湾バイクメーカーの「iRX115」スクーターを出してくれました。
2014年製で古いバイクなのかぁ…
それと、10cc足りないんですけどそれはどうなんでしょうかw
(10ccの差なんて微々たるものなんですがね)
「はむ家」さんとはお世話になっているようで、125ccバイクを1日350元(1050円)でした。
日本だと24時間で同等車種は4000円くらいするので相当安いですね。
台湾ツーリングではあちこちにいったのですが
2日目は嘉義市、3日目は台中市に向かいました。
日本で言うと、ゲストハウスが熊本にあるならば
嘉義は久留米あたり、台中は佐賀の鳥栖あたりですかね。
いずれもゲストハウスより北に向かいました。
2日目、ゲストハウスへ帰るとき、バイクのガソリンを給油しました。
その時、給油してくれたスタッフは太めの色黒のおばちゃん。
「お兄さん、これ入れる?」とガソリン添加剤を指さします。
ガソリン添加剤はガソリンに混ぜるとエンジン内部の洗浄や燃費効率上昇を狙った商品なのですが
ピンキリで適当なメーカーのもの入れるとエンジンを痛める可能性があるので、ノーサンキュー。
結構、気のいいおばちゃんでフィリピン系の方でガソリンスタッフ歴5年目らしいでした。
3日目、ガソリンが切れそうだったので
次、ガソリンスタンド見つけたら給油せんにゃいけんなぁ〜と思っていたら
ガソリンスタンド発見。
入ってみると、昨日のガソリンスタンドでフィリピンおばちゃんがいました。
「あなた好きよ〜。ガソリンついでくれるから」と
指でマネーマークをしながらガソリン給油してくれました。
面白えおばちゃんやな〜と思いながら、「サイジェン!」とガソリンスタンドを後にしました。
ライディングラブホ婆
台湾の最南端の街「墾丁」
11月でも昼間は気温30度近くあり国内外から観光客があつまるリゾート地だ。
そんな街をバイクで走り、信号待ちをしていた。
バイクに乗ったおばあちゃんが僕の顔を見てバイクでやってくる。こいつ、道路逆走してんぞ。
僕に並ぶとおばあちゃんが「ニホンジン?」と聞いてくる。
反射的に「イエス」と答えてしまう。
「ホテル決まってるか?」と尋ねられる。
「ホテルは台南にあります」と答える。
「台南!ユーホテルファーアウェイ!
My hotel near!C’mon!」(てめぇのホテルは遠いだろ!うちのホテル、そこだから来いよ!)
おばあちゃん、名刺を差し出す。
それはおばあちゃんのホテルの名刺のようだが…
どうみてもラブホです…。
(台湾はとてもモーテル(日本で言うところのラブホテル)が多い。)
信号も青に変わりそうなので
「ユーホテル、ノーサンキュー!」と言ってバイクのアクセルを開く。
すると「Don’t worry!」と叫びながらおばあちゃんがバイクで追いかけてくるじゃないか。
これが妖怪ライディングラブホババアか!
最初は時速70km/hで追走してきたが諦めてくれたので、なんとか振り切り逃げ切ることができた。
台湾でババアとチェイスするとは思わなかった。
黄色人種のばあちゃんが流暢に英語を話すのはシュールだ。
海老ちゃん
台湾の夜市。
夜市というのは日本で言うところのお祭りの夜店が立ち並んでいる場所。
ほぼ毎晩、台湾のあちらこちらで行わている。
そこで私は「海老釣り」という地味なゲームに興じていた。
海老釣りはその名の通り海老を釣るゲームだ。
50元(200円)で6本ほど釣り針のついた糸をもらう。
その針にはエサが付いていないので、海老を針に引っ掛けて釣り上げる。
糸が切れなければ何回でも釣り上げても良い。
そして、釣り上げた海老はバーベキューにして食べるというゲームだ。
四苦八苦しながら海老を2匹釣り上げた。
さて、バーベキュータイム。
店のおっちゃんに釣り上げた海老が入った椀を渡すと手早く串を打って返してくれた。
店の片隅にあるグリルに海老串2本載せる。
海老をグリルの上に乗せ、焼き殺した。
「ま〜、こんなもんだろう〜」と適当に串を持ち上げると
『レッド!レッド!』と声をかけられた。
声の主を見ると、結構かわいい女の子。
『レッド!レッド!』と私に言うではないか。
外国でかわいい女の子に声をかけられる→ハニートラップ→トラブルの末の死→ヤフーニュースでちょっと取り上げられる→コメント欄に「海外旅行で気が大きくなってはいけない」というクッソつまんね〜コメントにたくさん「イイネ!」がつく。
あぁ、未来が見えてしまった。
つまり、この『レッド!』とは『お前を血まみれのレッドにしてやろうか!』という宣戦布告なのだろうか。
…、どうやら様子が違う。
私の串、女の子が持っている串を交互に指さし『レッド!』と言っている。
!
この『レッド!レッド!』は
『てめ〜焼きようが足りねぇ〜ぞ!私の海老のようにレッドにしろよ!
ジャパニーズは海老も焼けねぇのか!?』
という意味なのだろう。自分が持っていたまだピンク色の海老をグリルの上に載せると
女の子はニコニコしてうなずいてくれた。
ヘルメット屋
日本でバイク用ヘルメットを買うとなるとホームセンター、ハイグレードなものを求めるとバイク用品店に行かなくてはならない。
台湾では街のアチラコチラに「安全帽(ヘルメット)屋」がある。
そのお店では最底辺のヘルメットがひとつ300円で売られている。
田舎のお店ではガラスケースの中も「Asia」という
Araiヘルメット(日本で最も有名なヘルメットメーカー)のパクリが鎮座されている。
おひとつ、6000円程度。本家Araiの1/10ほどの値段だな…。
また、お店も日本で言うところの駄菓子屋のおばあちゃん的な人が切り盛りしている。
そんな店でジェットヘルメットを買ってみると、サービスでホック式のシールドをつけてくれた。
トンカチで「ゴツーン!」とホックを叩いて装着してくれた。