ゴアテックス製グローブは良いのか？
「わーい、買っちゃったぞ！！」
「お？何を買ったんだよ？」
「じゃーん！ゴアテックス製のライダースウィンターグローブ！これで雨風、寒さも平気だよ！」
「お、良いじゃん」
「年始セールで値引きされてたから思い切って買っちゃった」
「お、という事はいきなり年始バイクでどっかいっちゃうのかな？」
「ちょっと、これから雲林寺に初詣に行ってくるよ！」
夕方
「手が！手が！凍るように冷たい！そして、手がビショビショ！」
「ゴアテックスは最高峰の防風、防水製を持っているのじゃなかったのか！？」
「確かにゴアテックスの防風性、防水性、透湿性は最高峰レベルだ！！」
「だがしかし、ゴアテックスは適当に使うとタダの布切れになってしまうのだ！！」
ゴアテックスはただの布？
「ただの布切れに！？冗談いっちゃいけねぇぜ、社長さん」
「まじです」
ゴアテックスとは？
「まず、ゴアテックスってのは1cm^2の大きさに16億個もの穴が空いた超穴だらけ布だ」
「へぇー、穴が空いてるのに空気や水をブロックしてくれるんだ」
「空気分子は300pm、水分子は70pm程度の大きさだから、水分子だけ通る穴が開いてるんだよ」
「なるほど、さっぱりわからん」
「ゴアテックスではこの穴だらけの布のことをゴアテックスメンブレンと呼んでるよ」
「ゴアテックスメンブレンは穴だらけの布だから、破れやすいので
各メーカーさんの考えたゴアテックスの性能を邪魔しない表生地と裏生地で
サンドイッチして
一定のテストを合格したものが晴れてゴアテックス製品になるのだ」
ゴアテックスの弱点
「でも、僕のゴアテックスグローブは内側からビショビショになったし
すごく寒かったよ！」
「ゴアテックスにも弱点はある！」
浸水に弱い
「大体のゴアテックスウインターグローブの謳い文句ってのは
・防水防風のゴアテックス！
・汗を吸収し発熱する裏生地！
こんな感じでしょ」
「たしかに！」
「理想的な環境で使用されているゴアテックスグローブはこんな感じになっている！」
「これほど完璧なものなのか・・・」
「しかし！！ここにあることが起きると一気にダメになる！」
「一体何なんだ・・・」
「それは袖口からの浸水だ！！」
「浸水すると発熱素材が汗を蒸気にするという働きをしなくなり
汗を水にしてホールドしてしまう！
こうなったらもうダメだ！凍死！」
「でも、発熱素材ってのは汗を熱に変えるんでしょ！？つまり水を熱に変えるってことじゃないの！？」
「違う！詳しくはこの絵を見てくれ！」
「わけがわからないよ」
「発熱素材が発熱する原理というのは蒸発した汗を発熱素材を受け止める！
すると汗には運動エネルギーがあるから受け止めた際、熱エネルギーが発生する！
これが発熱素材が発熱する理由だ！てゆーか、水を吸う布は発熱する！」
「水分で発熱してるわけじゃないのね」
バイク用ゴアテックスグローブの選び方と付け方
「つ、つまりどんなゴアテックスグローブを選べばいいの」
「まず、裁縫がしっかりしてるが良い！針穴や縫い糸から浸水するケースもある」
「そんなのわからないよ！」
「もうこれはハズレを引きたくなかったクシタニやゴールドウィンとか実績のあるメーカーが良い！
あとネットで調べろ！」
「次にロングのグローブが良い！
手首までしか隠れないショートグローブは浸水しやすいし
手首には太い血管が通ってるからここが冷えるとちょっとダメ！」
「着脱が面倒だけど、袖口にグローブをしまい込むと
さらに浸水する可能性が下がり、暖かいぞ！」
「あと、サイズはちょっと大きめの方が良い！
目安はインナーグローブをはめてウインターグローブをはめた際に操作に支障がない程度だ！
これはデッドエアのための空間を得るためと
走行中、グローブ自体が冷えてしまうため
あまりタイトなサイズ感だとグローブの冷えが伝わるし
指先の血行が悪くなる！」
「そして、最後に
ゴアテックスはライセンス料が高いから割高な分、高性能に見えるが
ゴアテックスじゃない製品でも暖かいものはある！
逆にいえば、ゴアテックス製品で粗雑な製品もある！
見極めろ！！」
「買ったばかりの人にそういうこというのやめてくださいます」
