80年前から空を飛んでいます
場所は岩手県一関市。
かの伊達政宗も賛美した景観の厳美渓(げんびけい)と呼ばれる渓谷がある。
そこになんとも風流な「かっこうだんご」というお団子屋さんがある。
住所:岩手県一関市厳美町滝ノ上211
営業時間:9:00~17:00
その景観、美しく、珍しく
厳美渓にかかる一本のロープ。
そのロープは厳美渓から見上げるように「かっこうだんご」を結んでいる。
厳美渓側のロープの結び目には籠がくくられている。
渓谷を眺めに来たついでか、「かっこうだんご」の不思議なサービスに惹かれてやってきたのか。
お客がその籠の中にお金を入れる。
そして、木板を木槌で叩く。
カッコーン
心地良い乾いた音が渓谷に響く。
すると対岸の「かっこうだんご」の店員がスルスルと籠を手繰り寄せる。
その珍しい光景をお客は写真や動画に撮影している。
籠をお店の中に引き込み、しばらくすると
スゥーと籠が厳美渓に向かって飛び滑って行く。
籠が厳美渓に辿り着くとお客は籠の中にあるお茶とお団子を受け取るという訳だ。
そのルーツはお店の中に入るとわかる
2012年に訪れた際は厳美渓側で空飛ぶだんごを楽しんだ。
今回はお店の中に入ってみた。
この不思議なサービスの発祥、”かっこう”団子と呼ばれる所以は意外なところにあった。
写真のイラスト、2012年はおじいさんがお団子食べていると思っていた。
しかし、実際はおじいさんがお団子を差し出しているイラストだったのだ。
このおじいさんこそが、初代創業者の千葉酉吉さん。
通称「カッコーじいさん」だ。
鳥のカッコウの鳴き声が上手で、赤い頭巾にチャンチャンコと杖がトレードマークだったらしい。
「かっこうだんご」店内に入ると
これでもかと「カッコーじいさん」の写真や似顔絵を拝むことが出来る。
ただ杖をついて立っているおじいさんの写真なのだが、強烈なオーラを出している。
ぜひ、拝んでいって欲しい。
空飛ぶだんごのアイデアも対岸の観光客にも販売出来るようにと考案したものである。
当時はロープウェーもただの籠ではなく飛行機型の籠だったらしい。
奇奇と試すお客を嬉々とさす。
厳美渓の団子は80年経った、今日も飛ぶ。
2012年のかっこうだんご
「このだんごはおいしいのぉ」
「飛んできたんだよ」「飛んできたんだよ」「飛んできたんだよ」「飛んできたんだよ」
住所:岩手県一関市厳美町滝ノ上211
利用時間:9:00~16:00(3~11月)
「空飛ぶだんごはどこで食べれますか?」
「だんごはこっちでも食べれるけど、空飛んだのは川の向こう行ってね」
絶景
この中にお金を入れて
合図を鳴らすと
お茶とだんごが飛んできます
みたらし、ごま、あんこの3本入り
ふわもち食感でおいしいです