今、こいつに魅せられたライダー増殖中
ヤマハ「MT-09」
兄弟車である「MT-07」と共に今、大ブレイクしている。
私が愛車としている「NC750X」もよく見かけるが
個人的には「MT-09」、「MT-07」のほうをよく見かけるように感じる。
値段がお手頃だから?デザインがカッコいいから?頭で考えても理由はわからない。
世界中で様々なバイクの賞を総なめにした「MT-09」。
乗ることが出来たのでインプレッションしてみる。
このバイクはヤバイので、買ってほしくない
結論から言おう、このバイクはヤバイ。
ノーマルの状態でバイクとしての性能が高すぎるのだ。
「MT-09」を初バイクとして購入したとしよう。
後に違うバイクを買う時その多くが「MT-09以下じゃん」と言えてしまうのではないだろうか?
スタイリング
「MT-09」のスタイリング、デザインを見てみよう。
鋭角な近代的なデザインのボディに目を奪われてしまう。
細部を見ると、このバイクなかなかに面白い。
モタードバイクのような倒立フォーク、ネイキッドバイクを思わすシート、レーサーバイクを思わす特徴的なサイレンサー。
様々なタイプのバイクのデザインを組み合わせ崩壊しないようにまとめ上げたデザインだ。
ハンドル部もシンプルだ。
スイッチ類もコンパクトにまとめられている。
コンパクトすぎて操作に戸惑ったりもした。
ちなみにクラッチレバーは私好みの機械式であった。
クラッチの重さは油圧式が多い現行の大型バイクと比較してしまうと、やや重めである。
足つき
一見すると、シート高が高そうに見える。
しかし、タンクの太もも付近の部分はシュッとスリムになっているおかげで身長170cm程度の自分ならば片足ベタ付きであった。
両足だと、かかとが浮く程度。
足つきには全く不安がない。
ちなみにシートは「スタイリングにしてはちと柔めだなぁ〜」という印象。
シート薄めの方が好みの方は調整する必要がある。
走行性能
前述のとおり、ヤバイ。
MT-09の三気筒エンジンの走り心地
このバイクのエンジンは三気筒エンジンだ。
三気筒エンジンのバイクは現行車種ではこのバイクが唯一であり
国産バイクでは長らくなかったエンジンのタイプだ。
このエンジンがとても楽しい。
2気筒エンジンの鼓動感と4気筒エンジンが伸びやかな回転。
その2つの魅力を足して2で割ったようなフィーリングだ。
力強いだとか、快適とは違う本能に訴えるような感覚だと思う。
走行モードについて解説しよう。
市街地向け等のBモード。スタンダードな「STD」モード。スポーツ走行向けのAモードがある。
Bモードは市街地、雨天、入門モードといったところだろうか
3000回転以下でバイクをなだらかにコントロールするモードだ。
5000回転以上からはリミットがかかるようだ。
アクセルワークよりも交通状況に集中したい時に利用したい。
STDは3000から4000回転くらいでコントロールする。
峠や快速で下道を巡航するモードである。
そして問題のAモードなのだが、下道でAモードは危ないと言われたので高速道路上でAモードに入れてみた。
最近の4気筒バイクも低回転からグイグイ走るバイクは多い。
当然、「MT-09」は3気筒エンジンだけあって2000〜3000回転でも余裕でグイグイ走ってくれる。
しかし、4000回転から「これ以上エンジン回すと本気になっちゃうぜ!」とMT-09が言っているような気がする。
おいおいついに米田昌平もキマったか?と思われそうだが、本当にそう言っている気がする。
回してみるとものすごい加速感だ!
ドカティのような2気筒エンジンより手数が多く、4気筒エンジンよりも一発に力がある!
試しに、シフトダウンしてアクセルをより捻ってみる。
6000回転にたどり着くと「もっと出るぜ!」と言っているような気がする。
バイクを降りて、スペックを確認するとエンジンの最大トルクは8500回転らしい。
まだまだ全力を出してなかったのか!と思った。
それにしても、楽しい乗り味でまだまだ夢中で乗っていたいと思ってしまった。
ハンドリング、足回り
このバイクのホイールベースは1440mmとかなり短い。
CB400SFが1410mmだから、中型バイクレベルと言っても差し支えない。
ホイールベースが短いと長距離巡航が疲れると言われるが、小回りが効く。
MT-09のハンドリングはとても素直だ。初めて乗った時に感じたが、思ったように曲がり、思ったように止まってくれる。
ホイールベースだけでなくサスペンションのことも忘れてはならない。
ノーマルの状態でありながらかなり高いレベルのサスペンションだ。
フロントフォークは、軽い力でスッと沈み込んでくれる。
リアサスペンションもライダーに路面の状態やグリップ具合を教えてくれる。
何度も言うが、ノーマルの状態でここまで足回りの良いバイクはなかなか無いであろう。
積載
MT-09の荷物の積載は正直、悪い。
荷掛けフックを引っ掛ける部分もやや悩む。
積載に関しては工夫が必要だ。
燃費
MT-09のスピードメーターには燃費計もついている。
「L/100km」、つまり100km走るには何Lのガソリンが必要か?という特殊な表示だ。
写真は4.0と表示されている。
100km走るのに4.0Lのガソリンが必要なわけなのだから、25km/lという計算になる。
ちなみにYZF-R25も同様の仕様だ。
実走行燃費だが
市街地…17.3km/L
快速下道…20.2km/L
高速道路…22.13km/Lとなった。
※走行距離(km)/給油量(L)にて計算
おおよそ、MT-09の燃費は20km/Lと見れば良いだろう。
まとめ
このバイクは本当に良いバイクだ。
発進の際、アクセルを開けすぎるとフロントが浮いてしまいそうになる。
それだけヤンチャなバイクだ。
このバイクを買う際は絶対、運転をサポートしてくれるトラクションコントロールシステム付きを購入することをオススメする。
にしても、本当に扱いやすく良いバイクだ。
こんなバイクが教習車だったら、誰だって合格できてしまいそうだ。
問題は好き嫌いの別れる前衛的なデザインだが
XSR900(公式サイト)やMT-09 TRACER(公式サイト)など
優秀なエンジンとサスペンション*を受け継ぎつつ、デザインバリエーションを増やしているので選択肢に困ることはないだろう。
*ただし、サスペンションのセッティングが異なるようです。
ホンダはメットインと高燃費による利便性を高めたNCシリーズを発売したが
ヤマハは高品質なエンジンとサスペンションによるバイク本来の楽しさを表現するMTシリーズで行くのだろうか?
バイクニューモデルにこれからも目が離せない。