滋賀県にある「三井寺」です。
「園城寺」とも呼ばれますが、本記事は三井寺と呼ばせていただきます。
三井寺
住所:滋賀県大津市園城寺町246
天台寺門総本山といえど、山門には千社札がびっしり。
屋根裏に貼るとか昔の人はよじ登って貼ったのかな。
むしろ、そっちのほうが罰当たりそうな気がしそうだけどな。
(現在どこの寺社でも千社札を貼ることは原則として禁止されています。)
三井寺といえば、「鐘」
いわれのある鐘がいくつもあります。
除夜の鐘は人間の煩悩の数の108回打つというのが習わしですが
三井寺の鐘は「なるべくたくさん打つ」という習わしがあります。
これはこのお寺に残る龍神伝説から来ています。
海で釣りをしていた若者が子供にいじめられていた蛇を助けます。
その若者はある日、美しい女性を知り合い、夫婦となりました。
女性は身ごもり、ついに出産の時が来たのですがですが
若者に「決してこの部屋を覗かないでください。」と言い残し、一人部屋にこもります。
若者は気になってしまい、ついつい部屋を覗いてしまいました。
すると部屋の中では大蛇が生まれたばかりの赤ちゃんの周りで
とぐろを巻いているのではありませんか。
姿を見られた大蛇は琵琶湖へと逃げていきました。
赤ちゃんは手に「玉」を握り締めており
その「玉」を舐めスクスクと成長していきました。
その「玉」の正体は「大蛇の眼」。
不思議な話を聞きつけた、悪い殿様は子供から大蛇の眼を取り上げてしまいます。
途方にくれる、若者と子供。
すると琵琶湖の方から龍がやってくるではありませんか。
「私はあの時助けていただいた蛇です。わが子が育つよう眼を与えました。
残りのもう片方の眼があるのでそれを差し上げます。
しかし、私は盲目になってしまい、わが子の成長を見ることができません。
だから、毎日鐘を撞いて子供の無事を知らせてください。
そして、年の暮れにはできるだけ多くの鐘を撞いて一年が過ぎたことを知らせてください。
そうしてくれれば、人々に幸せを授けます。」
それから、三井寺では毎日一回の鐘撞きと
除夜の鐘ではたくさんの鐘を撞くという習わしが生まれたと言います。
同じく滋賀県の瀬戸の唐橋にも
蛇が登場しますし、俵と共に鐘を与え、それは三井寺に奉納されたという説もあります。
三井寺には弁慶の引き摺り鐘があります。全国にその手の話はたくさん残っています。
この鐘は小生意気にも弁慶が撞くと「イノー(帰りたい)」と音を出し
弁慶に崖から投げ捨てられたという、エピソードがあります。ひでぇ。
同じく「弁慶の汁鍋」という、弁慶が使ったといわれるどでかい鍋があります。
江戸時代には観光名所になっていた
江戸時代のじゃらん的な観光ガイドで紹介されているシーンがあるそうです。
江戸の人も「でっかいなぁ。」と思ったんでしょうか、自分も「でっかいなぁ。」と思いました。
水につけると文字が浮き出る鐘みくじというのをやりました。
一~百までの数字が浮き出て
その番号に対応したおみくじと三井寺百景カードがもらえます。
かなり読みづらいけど「百」と書いています。
これは期待できそう。
「吉」でした。
ラストナンバーだから大吉と思っていたのに・・・。
ちなみにこの日(9月末)、かなり朝早くから行ったのにやけに若い人が多く来ていました。
なんでかなぁと思ったら、「るろうに剣心」のロケ地だったようです。
こんなちっこい石橋にも相当の伝説が残っていました。
みんな素通りしていましたけど。
弁慶の絵。
というより、鬼。
三井寺からすりゃ、寺宝である霊鐘を引き摺り
崖に投げ捨てた輩は鬼以外の何者でもないでしょうけど。